あなたは確定申告のために帳簿をつけると思っていませんか?
違います。実は考え方が逆です。
今回の記事は
1.帳簿をつけていない人
2.申告前にまとめてつけている人
3.定期的につけているけど、なんとなくでやっている人
に向けた帳簿をつける意味、目的について書いた記事になります。
確定申告しないといけないから期末終わって焦って領収書まとめ始めるというような話をよく聞きますが、これって確定申告をするための帳簿を作るということが目的になっちゃってますよね。帳簿をつけることには様々な意味合いがあるのですが、確定申告はそのうちの一つに過ぎません。
結論から言っておくと、帳簿をつける一番の理由は自分の現状把握するためです。現状把握すると何がいいかというと、一つは『改善』、でもう一つは『節税』、この2つに繋がります。
ではこの2つについて今から深掘りをしていきます。
帳簿は事業の『改善』のためにつける
まず1つめの『改善』についての話なんですが、あなたにひとつ質問です。
Q.あなたがビジネスを行うにあたって一番の目的ってなんですか?
例えば「自社の商品とかサービスでお客様にこういったメリットを提供したい」とか「お客様の悩みを解決したり解消したい」など人それぞれいろいろな目的があると思うんですけども、皆ビジネスをやる以上「儲けたい」ことは共通しているはずです。
儲けるためには事業に発展させていく必要がありますよね。
発展させていくためにはどんどんと改善をしていく必要があり、そのためには何を改善するのかという課題の把握が非常に重要です。
課題を把握するためには現状を知る必要がある。そのために帳簿が用いられることになるわけですね。
帳簿から自分のやっているビジネスの財政状態とか、あとは経営成績を把握することができてはじめてそこから課題の分析とか改善策につなぐことができます。いくつか今から例を挙げて考えてみようと思います。
『改善』の例1。清涼飲料水メーカー
例えば清涼飲料水をメインで作っている会社がありました。
帳簿をつけた結果、売上が落ちていることが分かりました。
その会社が1年間の売り上げを分析したところ、夏場の売上が多くて冬場に売上が下がる傾向にありました。
具体的な例だとコーラとかアクエリアスとかだとします。
これ別に清涼飲料水に詳しくない僕達でも、冬より夏の方が売れるのはなんとなくわかるじゃないですか。当然その会社の経営者も理解はしています。
「じゃあ具体的に夏と冬でどれだけ売上が違うんですか?」と聞かれたら、それはパッと答えられないですよね。
それは経営者の方も同様で、何にも情報がないところからパッと具体的にこれぐらい売上が落ちますって答えるのはなかなか難しいわけです。
じゃあそこでどうしますかというと、帳簿を使っての分析になります。
例えば現状1か月当たりの売上は夏に対して冬は半分に落ちているとします。
まずこれで冬は夏に比べて売上が半分に落ちてしまうという課題が見つかります。
そこから冬の売上を夏の水準と同じぐらいに持っていきたいという目標ができます。
次にじゃあそのためにはどうしたらいいかという改善策を考えます。
例えば、
「冬に売れるあったかいココアやコーンスープなどを重点的に売っていきましょう」ですとか、「冬限定の新商品を開発しましょう」とかこういった改善案を提案することができます。
『改善』の例2。商品をどれだけ値上げするか
次に別の例で、帳簿を分析した結果、原価や経費が多く掛かっていました。という例を考えます。近年物価が高騰しててよく飲食店で人件費材料費高騰により価格改定しましたと書かれた張り紙がよく見られます。
あれって当然ですけどどれだけ上がっているかわかっているから価格の改定
ができるんです。きちんと帳簿をつけているから具体的にどれぐらい上がっているかわかるので、どれくらい商品を値上げすれば良いかわかります。
帳簿をつけることは『節税』に繋がる。
帳簿をつけるつけないに関係なく、ほぼ全員ができるものなら支払う税金は少ない方がいい。できる節税はしたいというふうに思っているはずです。
でもこれって冷静に考えて欲しいんですけど、自分がいくら儲かってていくら税金を払うかというのは、ダイエットを例に考えてみると、帳簿をつけずに節税を目指すのは、
自分の体重がわかりません。
目標も特にないけどとりあえず痩せたいという想いだけある。
というのと同じです。
日常的に帳簿をつけていたら決算前の段階でその期の納税額の概算を出せるので、具体的に節税できるようになります。
最後に
どんなビジネスでも経理業務は必ず発生します。どんな業態でも経理業務は共通するところが多く、自社で行おうとすると多くの時間と労力がかかるため、アウトソースに向いている分野です。帳簿記帳はぜひ専門の代行業者にご依頼ください。