記帳代行依頼業者の選び方
記帳代行サービスを外注してみようと思い立ったものの
業者選びに時間がかかって先に進まない…と悩んでいませんか?
記帳代行を行っている代行業者はたくさんあるので、
何を基準して選ぶべきか迷うのは当たり前。
しかし、記帳代行サービスとしてふさわしくない特徴を知っておけば、
選択ミスが起きることを避けられますよ!
記帳代行を依頼する業者を選ぶときに、注意してみるべきポイントは何だろう…と気になる方は必見!今から記帳代行依頼業者の賢い選び方についてお話ししていきます。
記帳代行を依頼した結果、起きてしまったトラブルの一例についても紹介します。実際に利用する前に、記帳代行サービスの注意点を知っておくことでトラブルを回避できるかも…
契約前に1番チェックしたいのは見積書!契約内容や価格設定が納得できるものに合っているのか確認することは大切です。見積書の構成についても詳しく解説しているので、記帳代行サービスを発注する前にぜひ一度目を通してみてくださいね!
そもそも記帳代行業者?
記帳代行とは、会社で日々発生している金銭の取引を帳簿に記入する業務を代行してくれるサービスです。
記帳は会社の事業を営む上で絶対に見落としてはならない重要な業務です。税務関連の申告を行うときに、記帳されたデータがもとにあります。
帳簿に不備が見つかると、会社に税務調査が入ることも…
しかし、記帳は地味で面倒だからできるなら丸投げしたい、と思いませんか?
そんな希望を叶えてくれるのが記帳代行業者。
経理に強いスタッフを新たに雇う必要はなく、面倒な書類整理から業務を代行してもらえるのでコストカットにつながります。記帳代行の基本的なデータ入力業務は専門的な知識がなくてもOK!
だからこそ、税理士や会計士がいなくても記帳代行業者は成り立っています。
「税理士しかできない業務は自分で行うけど、誰にでもできる単純な作業は外注したい」
企業から税務関係の業務を委託されている税理士の多くはそのように感じていますね。では、
記帳代行業者を使って少しでも楽になりましょう!
ところで、記帳代行業者を選ぶときに失敗しないようにするにはどうすればいいのでしょうか?記帳代行業者の中には相応しくないサービスを行なっている場合が…
では、ここからは記帳代行業者の選び方について詳しくお話ししていきます。
違法業務を行っていない安心できる業者を選ぶ
「え?違法な業者がいるの?」と驚かれたでしょうか。
記帳代行サービスの中には、違法業務を行っているものもあるので要注意!
分かりにくく、注意しなければならないサービスは
「決算申告」。
「決算申告」まで請け負ってくれるの?と、
便利なサービスに飛びつきたくなる気持ちもわかりますが、少し待ってください。
決算申告ができるのは税務士と納税者本人のみです。税理士が在籍していないのに、決算申告を記帳代行サービスの一つとして提供していることを謳っている業者は要注意…というか
違法!
記帳代行業者は税理士や会計士などのプロではないため、決算や確定申告の手続き、税務関係の提案をすることはNGです。プラスで覚えておきたいのは、記帳代行業者は
守秘義務がないため機密保持契約が必要であるということ。
「税理士の資格がないなら守秘義務で会社の情報を守れないかも…」と心配にならなくても大丈夫。
記帳代行業者に記帳を外注するときは「機密保持契約」を結べばOK!
納得できる価格で見積もりを出してくれる業者を選ぶ
「記帳代行を依頼するならできるだけコスト削減したい!」と思われることでしょう。それなら、契約する前に価格設定をしっかりチェックしてください。
記帳代行業者の中には、ホームページにわかりにくい価格表を載せているところもあります。
例えば、「1ヶ月の基本料金5,000円」となっているとしましょう。
- 「1ヶ月でどれほどの仕訳をしてくれるんだろう…」
- 「オプションの内容や料金はどれくらいかかるだろう…」
このような疑問が浮かんできますよね。
基本料金は5,000円でも、仕訳の数やオプションによっては数万円以上に膨れ上がる可能性もあります。予想していた料金をはるかに上回る見積もりが提示されれば、予算内では収まらないですよね…。
記帳代行に余計な費用をかけないために、わかりやすい価格設定を公表している業者を選んでください。
見積もりを依頼して、希望通りの価格と依頼内容になっているかを確認するのは必須!
ただ、覚えておきたいのは
安ければいいというわけではないということ。
多くの業績を持っていて、大企業からの依頼が多い経験豊富な記帳代行業者は費用が高くなる傾向にあります。
「安さ」を重視するのか
「質」を重視するのかによって選び方にも多少違いが生じますね。
コミュニケーションが取りやすい相性の良い業者を選ぶ
記帳代行を依頼する業者や実際遺作業を担当するスタッフとの相性も要チェック!
- 「疑問を投げ掛けてもなかなか返答がない…」
- 「業務の実績が少なくて少し不安に感じるから、頻繁にコンタクトを取りたい」
確かに、会社の大切な情報を預ける記帳代行業者を選ぶのなら、コミュニケーションが円滑で、コンタクトを取りやすい方が安心ですね。
「記帳代行を1ヶ月依頼するだけでは、どれほど相性がいいのかなんてわからないのでは…?」と思われるかも知れません。
相性の良し悪しを感じるポイントは人それぞれです。一時的な記帳代行の依頼としてコミュニケーションの必要性をあまり感じないのならそれでOK。
しかし、長期的に会社を成長させていく上で記帳代行を依頼したい、と考えるなら
安心させてくれる業者を選ぶのがおすすめですよ。
- 「最初の契約で、作業期間中にトラブルが起きた」
- 「スタッフと相性が悪く、毎回不快な気持ちになる」
このように感じるなら、早めに契約を解除して新しい記帳代行業者を探しましょう。記帳代行の契約期間は一般的に1ヶ月。
解約金や最低契約期間などがなければ気軽に業者を変更できますよ。
記帳代行でよくあるトラブル
代行業者に依頼することで起こり得るトラブルがあります。
毎日のように発生する請求書や領収書をデータ化し、帳簿に入力する地味で面倒な作業。そんな記帳にかける時間を他の業務に当てたい、と思われるなら
記帳代行がおすすめ!
しかし、メリットの多い記帳代行サービスには
デメリットもあり、トラブルが発生することもあります。
企業のお金の流れを把握するための記帳は大切な業務。それを外注することでどんなデメリットやトラブルが生じるのでしょうか?
記帳代行を外注するデメリット
「記帳代行を外注することはどのようなデメリットをもたらすの?」
- ・社内スタッフが記帳に関するノウハウを取り入れられない
- ・数字から読み込む能力が育たない
- ・企業の業績をタイムリーに把握できない
「やっぱり自分で記帳をしておけば、こんなことにはならなかった…」と後悔する前に記帳代行を外注するデメリットについて知っておきましょう。
記帳を業者に任せることで、会社のスタッフが記帳を行う必要がなくなるため経理関係の知識が身につきません。
- 外注先が記帳代行サービスを終了したり、外注コストがアップしたり…
- 会社の業績を自分でチェックしたいから外注をやめたい…
このようなケースで、自社に記帳に関するノウハウを持ったスタッフがいないと対応できません。
- 「数字からお金の動きが読み込めない」
- 「数字を分析しても問題や改善点が見えてこない」
このような経営者は企業にとって
致命的。もちろん税理士にとっても、記帳を行なってより多くの数字に触れることは、数字から多くの情報を読み取る上で大切です。
記帳を外注すれば、数字を見ながら事務作業を行うストレスからは免れられます。しかし、税務状況を把握し、企業の経営に関する具体的な戦略を立てる上で、数字を見慣れていないことは不利ですね。
会社の業績をタイムリーに把握できないこともデメリットの一つ。
- 「記帳が完了するのはいつだろう」
- 「提出した書類を確認したいけど、返却されるのはいつになるんだろう」
このように、記帳の作業が完了しなければ業績を確認できません。企業の経営や財務状況をタイムリーに把握して、お金の動きに注意を払っておきたい方にとって
外注はデメリットが大きいと言えます。
「来年度からは記帳を自分で行って業績をタイムリーに把握しよう」と思い立っても、これまで外注に頼ってきた分、記帳に時間を取られて業務が非効率化するという恐れもあります。
「記帳代行はデメリットの方が多い…」
と感じてしまったでしょうか。記帳代行を外注することには問題点もありますが、なんといってもあの面倒な入力作業を
丸投げできるんです!税理士としての業務に集中して、記帳代行業者を上手に使えば、効率よく仕事を回せること間違いありません。
では、記帳代行を依頼して起きてしまったトラブル例について紹介しましょう。外注する前に知っておけば、対策もしやすいですよ。
- 記帳代行を違法業者に外注し、税務トラブルに対応できない
税理士がいないはずなのに、税務申告ができる記帳代行サービスを使ってみた…
というケースはトラブル以前に立派な違法行為です!
しかし、決算申告や税務書類の作成ができるといっている記帳代行業者も存在しているため、本当に資格があるのか確認するようにしましょう。違法業者にデータ入力だけではなく、税務申告まで任せてしまうと、後々起こる税務トラブルに対応できなくなります。
もし、申告書類に不備があっても税理士が作成していない書類の場合、対応できませんよね。税理士のみが行える業務を「できる」と言っている違法の記帳代行業者に任せないようにしましょう。
- 依頼が殺到してなかなか記帳データが納品されない
算期が近づくと、記帳が追い付いていない企業は一斉に代行業者に頼ろうとします。定期的に記帳を外注していない場合は、多くの記帳代行依頼が殺到する時期に被って発注してしまう可能性が大!
- 「急いでいるのに、なかなか見積もりを出してもらえない…」
- 「記帳データの納品スピードが遅くて、間に合いそうにない」
こうしたトラブルが生じて、「もっと早く記帳代行を依頼しておくべきだった…」と後悔に繋がることも。
依頼が殺到していてなかなか記帳データが納品されないから、膨大な量の記帳を自分で行おう!とはならないはずです。そもそも契約済みであれば、記帳に必要な書類は代行業者に送付しています。
このようなトラブルが起きないように、記帳は決算期間近になって外注を検討するのではなく年度の初めから利用するのがおすすめ!資料は貯めずに定期的に記帳代行に依頼しましょう。
見積書の構成はどうなっている?
見積もりは、初期設定費・仕訳数・オプション費が主な項目です。
記帳代行サービスを利用するなら、代行業者に見積書を作成してもらいますよね。見積書の構成とチェックポイントが分かっていれば、業者選びに役立ちます。
「初期設定費」
記帳代行業者によっては、まず記帳代行を依頼するにあたって科目の分析や会社情報を登録するための初期設定費がかかります。
「仕訳数」
見積書で最も重要な数字と言える「仕訳数」。記帳してもらう資料、例えば領収書や請求書、伝票の数のことをさしています。記帳代行サービスの金額は主に仕訳数で決まるので重要!
- 仕訳数は依頼した数と合っているか
- 一定の仕訳数当たりの料金と追加費用は納得がいくか
こうしたポイントを踏まえて、見積書の仕訳数をチェックしましょう。
「オプション費」
記帳代行サービスでは基本的な記帳にかかる費用以外に、オプションを設定しています。データ形式の種類や納品スピード、資格の関わる取引や業務などがオプションに含まれます。
記帳代行を依頼するときには、追加したいオプションを設定しておきましょう。仕訳数あたりの費用だけではなく、オプションにかかる費用もしっかりチェックすることは大切です。
「見積書をチェックするのは面倒だから、業者に丸投げしたい…」と思われますか?記帳業務は丸投げしてもよいですが、見積もりの確認はコストに大きくかかわるので、入念に行うようおすすめしますよ。
特に、機械限定の価格設定に要注意!
「思ったより安い見積もりだから、ずっとここと契約しよう!」と思っていると、2期目から急に割高になるケースもあります。長期的に見ても納得できる価格かどうかを考えましょう。
記帳代行サービスを利用するならメリットだけではなく、デメリットや注意点も把握しておくべきですね。起こるかもしれないトラブルを知っておけば、対策しやすくなります。
「少し不安だけど、面倒な記帳は出来れば外注したい」
それなら、今回お話しした注意点やトラブル例を考慮して本当に信頼して会社の情報をお任せできる業者を選んでください。
時間と手間のかかる記帳は業績の多い代行業者にお任せしてしまいましょう!